“ 子どものイノセンスは脆弱だ。子どもはすぐに大人になる。ありふれた子どもが、ありふれた大人になる。私は、いま自分が大人であることが、そんなにいやではない。他人につられてなにかを好きになったり嫌いになったり無理をしたり虚栄心にとらわれたりするのが、そんなにいやではない。でも、大人のくせに二歳児のような目をして、それで平気で社会人をやっているのは、彼のイノセンスとそのためのフィルタがおそろしく強靱だからだと思う。私は彼のイノセンスそのものより、その強靱さを美しいと思った。”